
注文住宅を建てる場合は、土地探しから始めることになります。しかし土地の探し方がわからないまま、漠然と進めてしまっている方やハウスメーカーの言われるがままの土地を検討されている方も多いのではないでしょうか?
理想の土地を見つけるためには、事前準備や土地探しのコツを押さえておくことが肝心です。今回はマイホームを建てるための土地探しのコツについて解説します。
目次
- 事前準備
- エリアと予算を決めておく
- 希望条件に優先順位を付ける
- 土地探しから購入までの流れを知る
- 土地探しのコツ
- 理想の暮らしをイメージする
- 自分の目で現地を確かめる
- 事前準備で決めた内容・優先順位をブレさせない
- 早めに決断する
- 土地探しの方法
- インターネットで探す
- 不動産会社に依頼する
- ハウスメーカーに依頼する
- 自分の足で探す
- 土地探しのチェックポイント10選
- 周辺環境
- 面積・形状
- 高低差
- 境界線
- 災害リスク
- 道路
- 地盤
- インフラ
- 法規制
- 建築・生活の障害になりそうなもの
- 土地探しで役立つ基礎知識
- 土地が見つからないときは・・・
- エリアを広げる
- 形状・方角の条件を緩和する
- 中古住宅や古家付き土地も含めて探す
- 不動産に関する事ならNextStepにお任せください。
事前準備

まずは何といっても事前準備が重要です。
●エリアと予算を決めておく
●希望条件に優先順位を付ける
●土地探しから購入までの流れを知る
ここからは、事前準備のポイントについて詳しく解説します。
エリアと予算を決めておく
まずは第一に考えておく必要がある項目はエリアと予算です。
注文住宅を建てたいエリアと、土地にかけられる予算を最初に決めておけば、迷わずに理想の土地を探すことができます。
エリアを決める際は、通勤時間や学区など人それぞれの考え方が御座いますが、複数のエリアをピックアップするのがおすすめです。
予算は土地にかかる費用だけでなく、注文住宅の建築費や手数料、毎月のローン返済額なども考慮する必要があります。
エリアと予算を決めたら、設定した予算が希望するエリアに見合っているか検証することも大切です。
希望条件に優先順位を付ける
土地に求める希望条件を考えることも重要です。
立地や周辺環境の希望条件だけでなく、実現したい暮らしも含めて、具体的に考えましょう。希望条件の具体例は、以下の通りです。
●最寄り駅から徒歩10分圏内
●土地の面積は40坪以上
●日当たりの良いリビング
●ドアTOドアで通勤1時間以内
●駐車は普通車並列2台・・・など
ただ、すべての希望条件を満たす土地に出会える確率はかなり低いですので、必ず優先順位を付けましょう。
希望条件、優先順位を事前に整理しておけば、候補の土地が出てきたときに判断しやすくなります。
土地探しから購入までの流れを知る
全体の流れについて知っておきましょう。
土地探しからお引渡しまでは、以下の流れで進みます。
1:土地探し
2:住宅ローンの事前審査
3:買付証明書(購入申込書)の提出
4:土地の売買契約締結
5:建物の請負契約
6:住宅ローンの本審査
7:金銭消費貸借契約締結
8:土地の引き渡し・所有権移転登記
土地探しの期間は早い方で1か月程度、平均3か月~6か月程度、長い方で1年以上探されている方もお見えです。
住宅ローンを借りて土地を購入する場合は、住宅ローンの事前審査を申し込みます。(最近は買付証明書を提出する段階で事前審査の承認通知書を求められることも多いので自分がいくら借りれるか?いくらのローンを組むのかをあらかじめ明確にし事前審査を出しておくことが重要です。)
希望の土地が見つかったら買付証明書(購入申込書)を提出します。買付証明書とは土地の所有者に対して購入の意思表示をするための書類です。
売主様が提出した買付証明書の内容に合意すれば、いよいよ不動産売買契約の締結です。
民法と違い不動産取引は買付証明書を提出し売主様が内容を合意したとしても契約が成立したと見なされません。あくまで契約書に署名押印した段階で契約が成立したと見なされます。
契約締結後に住宅ローンの本審査に進み、通過すれば金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。
最後に残代金を支払い土地の引渡し、所有権移転登記をおこない、土地購入が完了する流れです。
土地探しのコツ

注文住宅を建てようと思っても、土地探しが半年以上と長期化してしまうケースは少なくありません。短期間で土地探しを成功させるコツは、以下の通りです。
●理想の暮らしをイメージする
●自分の目で現地を確かめる
●事前準備で決めた内容・優先順位をブレさせない
●早めに決断する
次の項目からは、土地探しのコツについて詳しく解説します。
理想の暮らしをイメージする
具体的な暮らしのイメージがないまま漠然と土地探しをしても、自分に合った土地は見つかりません。土地探しのゴールは土地を買うことではなく、その土地に建てた家で理想の暮らしを送ることです。
理想の暮らしをイメージして、それを実現できる土地を探すことが成功につながります。10年後、20年後、30年後と長期的な視点で理想の暮らしを考えることも大切です。将来の家族構成やライフスタイルをイメージして土地を選ぶと、快適に住み続けられるでしょう。
自分の目で現地を確かめる
候補の土地が見つかったら、必ず自分の目で現地を確かめましょう。実際に現地を見てみると、物件概要には載っていないことまでわかります。たとえば駅から近くて立地が良くても、騒音が気になったり日当たりが悪かったりする可能性があります。
駅までの徒歩時間も不動産業界では1分80mで算出と規定されており実際の徒歩時間と異なる場合もございます。
机上で判断せず、自分の目で体感することが大切です。
曜日や時間帯、天候が変わると、雰囲気が変わる街もあります。できれば1度きりではなく、複数回足を運んで、現地調査するのがおすすめです。(できればこちらの記事でも記載した通り雨の日に確認できるのであれば確認したほうが良いでしょう)
事前準備で決めた内容・優先順位をブレさせない
物件探しをしていると当初に決めた内容や優先順位が時間とともに変化されるお客様が多々お見えです。
決して悪いわけではないのですが、ブレだすと土地決定までの期間が長期になるお客様が多いのも事実です。
最近の事例でお話すると、ご相談当初の条件が大きく変わった為土地が決まらず、土地が決まった時は住宅ローンの金利が大きく変わった為、建物を妥協するか土地の価格(エリア)を妥協するかしか無くなったといったお客様もお見えでした。
早めに決断する
条件が良い土地ほど、すぐに買い手が付いてしまいます。
また、土地は家電製品や自動車とは違って1点物です。【土地探しから購入までの流れを知る】でも書きましたが買付証明書の提出だけでは契約したと見なされていないので、交渉の優先順位は1番でも売主は販売活動を停止せず先に契約できる方に購入されたと言うことも御座います。
じっくり吟味することも大切ですが、できるだけ早めに決断するようにしましょう。
コツは希望をすべて満たしていなくても、70〜80%満たしていれば良いと考えることです。100%希望通りの物件にこだわりすぎると、いつまで経っても購入する土地を決められません。
土地探しの方法
土地探しの方法は、以下の4つです。
●インターネットで探す
●不動産会社に依頼する
●ハウスメーカーに依頼する
●自分の足で探す
次の項目からは、土地探しの方法について詳しく解説します。
インターネットで探す
不動産情報サイト(SUUMO・ATHOME・HOMESなど)や不動産会社のホームページにアクセスして、土地を探します。インターネットで探す方法は、情報量が多く手軽に調べられるのがメリットです。エリアや価格、土地面積、駅徒歩など、さまざまな条件で絞り込むことができます。
ただし、最新の情報かどうかは確認が必要です。インターネットに掲載されていても、問い合わせてみると既に契約済みということもあります。インターネットに載っていない未公開物件もあるため、ほかの方法と組み合わせて探すのがおすすめです。
不動産会社に依頼する
不動産会社に売買仲介を依頼して土地を探してもらう方法です。エリアを熟知している不動産会社に依頼すれば、街の雰囲気や最新情報まで詳しく教えてもらうことができます。まだ市場に出回っていない未公開物件を紹介してもらえることもあるでしょう。
ただし、不動産会社によって得意分野が異なります。土地の売買仲介の実績がない不動産会社もあるため、ハウスメーカーと提携している不動産会社に依頼するのが最良です。
ハウスメーカーに依頼する
建築を依頼したいハウスメーカーが決まっている場合は、同じハウスメーカーに土地探しを依頼する方法があります。注文住宅の建築まで一貫して依頼できるため、希望の間取りやプランを実現できる土地を探してもらうことができます。土地と建物を合わせた総予算のバランスもとりやすいです。
自分の足で探す
自分の足で現地を歩いてみて、売地を探す方法です。気になる売地を見つけたら、看板に記載されている連絡先や、依頼しているハウスメーカー・不動産会社に問い合わせてみましょう。
土地探しをしながら、エリアの雰囲気や利便性を体感できるというメリットもあります。一方で、歩いても必ず売地が見つかるとは限りません。希望エリアを決める際の下見ついでに探してみると良いでしょう。
土地探しのチェックポイント10選

理想の土地を探すにあたってのチェックポイントは以下の通りです。
●周辺環境
●面積・形状
●高低差
●境界線
●災害リスク
●道路
●地盤
●インフラ
●法規制
●建築・生活の障害になりそうなもの
次の項目からは、各チェックポイントについて詳しく解説します。
周辺環境
周辺環境は住みやすさに直結する重要なチェックポイントです。必ず現地でお買い物施設・公共施設との位置関係や、騒音・匂い・治安を中心にチェックします。
お買い物施設は日常的な買い物ができるスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどです。公共施設は病院や銀行、郵便局などをチェックします。お子様がいる場合は、小学校や中学校までの距離も忘れずに確認しましょう。
騒音・匂い・治安は、現地で体感するのが一番です。近くに交通量の多い道路やパチンコ店、駐車場がある物件は、騒音に悩まされる可能性があるため要注意です。ゴミの集積場から近い場所は、ゴミ収集日に嫌な匂いがすることも考えられます。治安を見極める際は、街灯が整備されているか、落書きや放置自転車がないかを確認しておくと良いです。
面積・形状
土地の面積や形状によって、建てられる家の規模や間取りが変わります。土地の形状は大きく整形地と不整形地に分かれます。整形地は正方形・長方形の土地で、設計上の制約が少なく自由に建てられる点が魅力です。しかし整形地は価格が高くなる点やすぐに売れてしまう点に注意しなければなりません。
不整形地は三角や台形のほか、旗竿地などがあります。特殊な間取りにしなければならず、デッドスペースが生まれやすいのが難点です。一方で、日当たりが良い土地や価格が安い土地が見つかる可能性もあります。両方のメリット・デメリットを知ったうえで、自分に合った形状の土地を選びましょう。
高低差
高低差が激しい土地は、家を建てるために盛土工事や擁壁工事が必要になる場合があります。低い土地は大雨による浸水を防ぐために、道路と同じ高さにする盛土工事が必要です。反対に高い土地は、崩れないように斜面を安定させる擁壁工事をおこないます。
現地に行く際は、土地周辺の高低差も確認しておきましょう。崖崩れや土砂災害が起きそうな場所がないかをチェックします。
境界線
隣地との境界線が曖昧な土地は、購入してから隣地住民とトラブルになることがあります。チェックポイントは境界が確定しているかどうかです。まずは登記簿の情報を確認し、次に確定測量図や境界標の有無を確認することが必要になります。
災害リスク
安全に暮らすためには、災害リスクについてもチェックしなければなりません。過去に起きた災害についてもチェックしておきたいところです。こちらの記事で紹介したアプリで現地からハザードマップを確認でき災害リスクを把握できます。
ハザードマップとは、自然災害の被害を予測して被害範囲を色分けした地図です。洪水・地震・津波・高潮・内水・土砂災害の災害リスクを確認できます。売買契約締結時にも重要事項説明でハザードマップの説明がありますが、土地探しの段階で確認しておくようにしましょう。
道路
土地に接する道路も、建築に影響を及ぼす重要なチェックポイントです。まず建物を建てる際は、建築基準法で定められた道路に2m以上接していなければなりません。そして前面道路の幅員が4m未満の場合は、建物をセットバック(道路の中心線より2m確保)させる必要があります。
前面道路が公道か私道かどうかも確認しておきましょう。私道に面している土地は、私道の持ち分は持っているのか?持っていなければ通行許可・掘削許可を取得しているのか確認が必要です。
地盤
建物を安全に建てるためには地盤の強さを確認する必要があります。もし地盤が軟弱な場合は、地盤改良のために50〜200万円前後の高額な費用がかかるため注意が必要です。
地盤の強さを確認する方法は、地盤調査をおこなうことです。
ピンポイントでは無いものの、周辺の地盤調査データ等確認出来るハウスメーカーもございますので事前に相談すると良いでしょう。
またこちらの記事で【埼玉県地震に強いエリアランキング】を書いておりますので参考までにご確認ください。
インフラ
上下水道・ガス・電気のインフラが敷地内に引き込みされているかチェックします。インフラが整備されていない場合は、引き込み工事の費用負担が発生します。
家が建っていた(建っている)場合でも、引込管の口径やメーター径によっては費用が発生する場合もございます。
法規制
土地探しのチェックポイントとして、法規制も挙げられます。土地を購入して家を建てる場合は、建築基準法や都市計画法の制限を受けます。せっかく土地を購入しても希望条件を叶えられなければ意味がありません。
法規制には用途地域、建ぺい率・容積率、斜線制限など、さまざまな項目があります。土地にかかる法規制は提案した不動産会社・ハウスメーカーに確認しておきましょう。
建築・生活の障害になりそうなもの
現地を見るときに、建築・生活の障害になりそうなものがないか確認するようにしましょう。とくに樹木、電柱(電線)、ガードレール、縁石などは工事や車両の出入りの妨げになるため、要注意です。
見落としがちなのが電線です。最近の建築はクレーン車で材料を起こしたり2階部分に上げたりします。クレーン車が首を振れない位置に電線がある場合、建築コストがプラスで掛かってしまいます。
また樹木の伐採費用は数十万円、縁石の切り下げは30万円程度かかります。ガードレール・電柱の撤去は行政や設置業者(東京電力やNTTなど)との協議が必要となります。
土地探しで役立つ基礎知識
別記事でまとめておりますのでこちらの記事からご確認ください。
土地が見つからないときは・・・

事前準備やコツを押さえて土地探しをしても、なかなか土地が見つからない場合は、以下の対処法を試してみてください。
●エリアを広げる
●形状・方角の条件を緩和する
●中古住宅や古家付き土地も含めて探す
エリアを広げる
土地探しをしても希望する物件情報が集まらない場合は、エリアを絞り込みすぎている可能性があります。また、人気エリアの土地はすぐに売れてしまうため、なかなか候補地が出てきません。
例えば1駅隣までとか、隣の学区までとか希望するエリアを広げたり、新たなエリアを探したりする対処法が有効です。
形状・方角の条件を緩和する
多くの方々は整形地や南向きの土地を希望しています。一方で狭小地、旗竿地、北向きの土地などはあまり人気がありません。しかし不人気な土地は価格が抑えられるなどメリットがあります。形状や方角の条件を緩和すれば、穴場物件に出会える可能性があるでしょう。
また間取りの作り方や配置次第で十分採光を確保できる可能性もあります。
中古住宅や古家付き土地も含めて探す
更地が見つからない場合は、中古住宅や古家付き土地も選択肢を広げてみるのも手です。ただし、中古住宅と古家付き土地の注意点を理解することが必須です。中古住宅や古家付き土地は建物が残っている状態のため、解体のための費用と時間がかかります。
弊社では多くのお客様にこの提案もしてまいりました。売主様に解体費用の一部(全部)の費用分を価格交渉させていただき買主様の大きな費用負担とならないよう交渉しております。
不動産に関する事ならNextStepにお任せください。
筆者は某全国展開している不動産仲介会社で注文住宅の責任者をしており、土地の仲介業務・間取りプランの作成・設備打ち合わせ(色ぎめ)等を年間約27棟の受注を一人でこなし不動産業界歴今年で23年目となります。
そこで培ったノウハウやお客様のご意見など経験したことをお客様にフィードバックさせていただいております。
NextStepでは創業4年目にして建売住宅122棟・土地96件・中古住宅59件の取引実績(2025年6月8日現在)が御座います。
是非下記フォーム・公式LINEより一度ご相談ください。
