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失敗しない土地探し

売土地

最近建売物件価格高騰の影響もあってか注文住宅をご検討されるお客様が増えてきております。そこでお客様からよくご質問を頂き事が多い疑問についてお答えいたします。

どんな土地が良い土地なの?

ご質問頂く事が多いご質問ですが・・・こればかりは人それぞれの思いの部分や敷地の形状によって良し悪しが変わる部分が多いので答えにくいのが正直な感想です。
気づきの為にいくつか実例を挙げますと

南側が墓地の物件
 一番日の当たる南側に建物が建つ事が無いので良い物件というお客様もおられました。
コンビニ・スーパー・駅(バス停)等の生活施設は遠いが同予算で敷地が広い物件
 通勤は車で行っており、お子様も車を所有しているため駐車場4台が必須。
 買物等に関しても休みの日にまとめて購入する為、近隣には不要というお客様。
狭小地だが駅近で予算内に収まる物件
 20坪程度の狭小地だが車を保有していないので、とにかく駅近の物件が良いというお客様。
とにかく全ての生活施設が程よく近く利便性が高く価格も抑えられる物件
 ハザードは気にせずとにかく利便性と価格を追求したいというお客様。
ハザード重視の物件
 全てのハザード関係をクリアできており、ある程度希望の間取りが建築可能であればいいというお客様
学区限定
 小中学区限定。価格・広さ等は二の次でとにかく学区限定のお客様。

など少し極端な例かもしれませんが、一般的な良い土地と言われる部分と少し異なる条件を探されていたお客様の一例です。

後悔する(買わない方が良い)土地は?

いわゆる「負動産」ですね。これはある程度明確にお答えできますので回答させていただきます。

①旗竿地

上記の図のように建築時の給排水管等のコストもプラスになる事も多いですし、再建築の際、重機の侵入やクレーン車のアームの回転が困難な間口(2~2.5m以下)かつ上記の図で言えば建物前面の庭部分が取れない配置で建築した場合、再建築が困難になることもあります。

上記の事から

万が一物件を売却する際、一般個人の方以外に販売する事が厳しくなってまいります。
(実際建売メーカーは1区画の旗竿地は購入不可(査定も出来ない)となっております。)

②事故物件

いわゆる告知事項ありの物件ですね。これは気にしない方もお見えですが・・・
賃貸の取引と違って売買取引の場合は告知義務の期限等は御座いません。
例え何十年経っても、前建物が解体されても、お子様が相続されても購入検討者に告知する必要が御座います。

③前面道路が私道の物件

デメリットを理解して購入するのであれば問題ないのですが・・・
前面道路が私道の場合、

絶対的に確認しておく事項として

・私道部分の持ち分を持っている(所有している)か否か?
・所有していない場合、通行許可・掘削許可を取得しているか?

理解しておくデメリットとして

・私道部分の舗装等の補修は市や県では対応してくれない
 私有地扱いですから当然所有者全員で維持管理する必要が御座います。
・自分の所有物なのに自由に使えない
 道となっている以上、所有物であっても【駐車場にする、塀や門扉を設置する、鉢植えを置くといった行為も禁止】【私道でも公共性が高い場合、たとえば不特定多数の人間が通る場合などは、私有地だからといって通行を禁じるようなルールも不可】となります。
・売却しづらい
 私道の管理や整備が必要になるほか、周辺住民との人付き合い・交渉も不可欠になってくるため売却しづらくなります。

ただし、分譲地内(建売住宅建築等の為の多区画分譲地)の私道は販売時に明確に説明をしているので近隣とのトラブル等のリスクは軽減されております

セットバック(道路後退)が必要な土地

住宅を建築する際、建築基準法において「4m以上(都市計画地方審議会の議を経て指定する区域内では6m以上)の道路に2m(間口が)接道している」事が大前提となります。
とはいえ、建築基準法の施行以前から存在していた4m未満の道路は、「みなし道路」と呼ばれ下記一定の条件をクリアすることにより建築基準法上の道路とみなしても良いとなっております。

条件:道路の中心線より4mの半分の2m以上(6m道路では3m以上)の道幅を確保する。

このセットバック部分は建物だけでなく門や塀・擁壁の建造もできません。

大通りまでの全区画がセットバックをしているのであれば【きれいな4m(6m)道路になる】のですが・・・昔からある建物で建替えをしていなければセットバックの必要が無いため写真のような状態の住宅地をよく見かけます。

こういった形状の前面道路の場合、物件の位置や駐車場の計画によっては、駐車が非常に困難になる可能性が御座います。

水路に面している土地

これは理由がある程度ご理解いただけると思います。
水路の弊害として

・想定外の豪雨等で氾濫する可能性がある。
・蚊等の虫の発生の可能性が高い。
・水路の幅員やどこが管理しているかにもよるが雑草等の処理がなされない水路が多い

大通りに面した土地

これは筆者の実体験を基にご説明いたします。
筆者は以前主要県道に面した3階建ての住宅に住んでおりました。そこで体験し引越しをした理由を含めご説明します。

・夜間でも騒音・振動がある。
 ダンプや大型トラックが通行すると2階になれば結構揺れます。
・洗濯物・外壁
 排気ガスの影響か外壁は黒シミが・・・この状況を見ていると洗濯物も結構汚れているのでは?と感じるほどです。
・駐車
 信号の有無・渋滞の有無等にもよりますが、結構駐車に気を使います。

振動・騒音については、慣れが出てくるので半年から1年くらいで気にならなくなりましたが・・・あえて大通り沿いの物件を選ぶ必要はないかと思います。

堀車庫(堀り込み車庫)・高低差(2m以上)のあるの土地

さいたま市内で言えば見沼区・武蔵浦和駅周辺・西浦和駅周辺に多い「堀車庫」のある物件ですがメリットを上回るデメリットがあるのであえて選択する必要はないかと思います。

メリット
・地盤(宅盤)が道路より高い為、水災の被害を受けずらい

デメリット
・最低1.5m程度駐車場の高さが必要の為、地盤(宅盤)まで最低7段程度の階段がある
 高齢になればなる程デメリットとなってまいります。
・駐車場の高さの問題があり、購入できる車に制限が発生する。
 昔の堀車庫の土地であれば天井が低く設計されている堀車庫が御座いますので要注意です。
・車庫の上に建物を建てない方がベター
 建物が駐車場部とその他の地盤に股がると不同沈下が生じ易く、掘り込み式駐車場の上を避けての計画が良いとされております。
・最悪の場合、建築確認がおりない場合がある。
 駐車場部分の確認申請書と構造図面がない場合、最悪のケースでは建築確認の許可がおりなく建築することが出来ない場合が御座います。
・購入後の維持管理のコストが掛かる。
 コンクリートの塗装直しなどメンテナンス費用が掛かりますし、万が一作り直しになる事態になるは負担が大きすぎます。

上記の理由からあえて選ぶ必要はないかと思います。

南道路・東道路の土地がベストと言われるが・・・

これはあくまで同じ形の土地・同じ幅員の前面道路として比較した場合に限った話だと思います。

右の画像のように南道路の物件でも間口の長い(南側の距離が長い)長方形の土地であれば東(西)に駐車場とお庭を設ける設計になるでしょうし南側からの光の取り込みは道路幅員分の距離しか見込めない状況となります。

逆に南北に長い長方形の敷地の場合、駐車場を北側に設けても南側にお庭が道路幅員よりも多く設計できるのであれば南の光の取り込み量は上記南道路の物件よりも取得可能です。

このあたりは地盤が緩い(弱い)?に惑わされないで!

土地探しのお手伝いをしていて良くご両親様から【この辺りは昔から地盤が緩い(弱い)】と言われましたとお伺いすることが多々御座います。
申し訳ございません。正直な話迷信です。
弊社では年間60件程度の新築一戸建て(建売)を販売しており、その件数分の地盤調査報告書を見ているのですが、同じ分譲地内でも地盤改良が必要(地盤が緩い(弱い))区画もあれば不要な区画も御座います。わかりやすく説明すると、A号棟は地盤改良必要、1m隣のB号棟は地盤改良不要と調査結果の出ている土地はざらにあると言う事です。

地下水路(水脈)にしても、地域全体にあるわけでは御座いませんし当たり前と言えば当たり前なのですが・・・

ですので、注文状宅でも建売住宅でも一棟一棟地盤調査をして、建物の荷重に耐えられる地盤かどうかを調査する必要があるのです。
地域で判断できるのであれば、過去のデータやその地区の最近のデータがあれば調査する必要はないと言う事です。

とは言えこれは購入後に判明することですが最近の建物はベタ基礎を採用している事が多い為、昔の基礎(布基礎)とは違って建物の荷重を点で支えるのでは無く面で分散して受けており、地盤調査結果によっては支持層まで改良工事を実施(地盤沈下の保証付与)致しますのでご安心頂けると思います。

平面の情報に振り回されないでください!

住宅地図・ハザードマップ・販売図面等、平面の情報に惑わされないでください。
駅等までの分数に関して言えば【公正取引委員会】の指標で1分80mとして平面で計算する事となっておりますが、イメージとして大人の早歩きでの分数です。アップダウンのある立地やお子様やお年寄りの方であれば当然もう少し時間が掛かります。ハザードマップに関しても同じく、あくまで道路面を基準面として表記されておりますので地面(宅盤)が上がっている土地であれば変わってまいります。
必ず現地の状況を確認する必要が御座います。

まとめ

・良い土地は希望条件によって人それぞれで異なる。
・悪い土地はリセールや再建築を考えるのか否かでも変わってくるがリスクを把握し購入する事が大切である。
・南・東道路の物件が必ず良い訳ではなく敷地の形状・前面道路の幅員によっては悪い土地になる場合もある。
・「このあたりの地盤は~」に惑わされない。
・平面の情報だけに振り回されないでください。