日本は台風の通り道に位置しているため、被害を受けやすい国です。日頃、「台風が接近している」と知ってからどのような対策をしていますか?
日常での台風対策や、台風が来るとわかってから上陸・通過するまでの対応についてご紹介します。飛来物による被害を受けやすい窓への対策も掲載していますので、いざというときに備えてぜひご覧ください。
目次
台風が原因で起こる災害
風害:台風の右側に注意
台風の発生時には強風や暴風といった風害が起きます。特に、台風の進行方向の右側は、強い風が吹きやすいため注意が必要です。これは、台風が移動する速度によって発生する風と、台風自体が持っている反時計回りの強風が合わさるためです。
水害:想定外の浸水に注意
風害に加えて、高潮や洪水、波浪害と言った水害にも注意が必要です。特に海や湾に面した地域では、低気圧による海面上昇、暴風による波浪・高潮など複合的な要因により、大波が発生することも。また、アスファルト舗装が進む都市部においても、雨量が用水路や下水道の排水能力を超えてしまうと排水しきれずに溢れてしまい、近くに河川がなくとも浸水被害が発生することがあります(内水氾濫)。
上記の災害は単体でも脅威ですが、風害と水害が同時に起きることでより大きな被害を生むので注意が必要です。
平常時の台風対策
自宅の点検・補修
平常時に、屋根・外壁・シャッター・雨戸など家を守る設備に異常がないか確認し、メンテナンスしておくことは台風対策として非常に重要です。具体的なチェック項目を下記にまとめましたので、確認してください。
見落としがちなのが、屋上やバルコニーの側溝や排水溝です。落ち葉やごみが排水溝をふさいでしまうと、プールのように水が溜まってしまうことも。溜まった雨水があふれて、お部屋の中に雨水が入ってきたり、階下に水漏れを起こしてしまう可能性があります。また、雨どいも詰まりがないように清掃しておきましょう。雨水が雨どいからあふれて敷地が水浸しになったり、水の重みで樋が破損することも考えられます。
チェック項目
・屋根瓦がずれたり割れたりしていないか
・外壁やブロック塀に割れや傾きはないか
・雨どいの固定はできているか、接合部分は外れていないか
・窓、網戸の外れ止めは正しくセットされているか
・シャッターや雨戸がスムーズに開閉できるか、ロックはかかるか
・側溝や排水溝の水はけはよいか。枯れ葉や泥がつまっていないか
・プロパンガスボンベは倒れないようにしっかり固定されているか
防災アプリなど情報ツールの利用者登録(ブックマーク)
防災アプリへの利用者登録や防災WEBサイトへのブックマークなどを行いましょう。
弊社では【リアルタイム被害予測ウェブサイト・アプリcmap】をお勧めしております。
物件ご確認(ご内覧)の際、アプリでは現在地の許可の権限付与していただいていればハザードマップを可視化できる優れものです。
アプリの紹介や使用方法は、アプリ発行元の【あいおいニッセイ同和損害保険の紹介ページ】からご確認いただけます。
PCからのご利用はこちらから(新規タブで開きます。)
アプリのダウンロードは下記アイコンから(新規タブで開きます。)
避難時持ち出し品の準備
普段から持ち出し品をリュックサックなどに入れて台風に備えます。以下の表に避難1日目を凌ぐ最低限の物品(一次持ち出し品)をまとめました。
食料品 | 乾パン・クラッカー・レトルト食品・缶詰など |
飲料品 | 水(1人1日2リットル)を目安に |
衣類 | 下着・タオル・寝袋・雨具・軍手・靴 |
非常用具 | ヘルメット(防災頭巾)、懐中電灯、缶切り、着火剤、除菌シート、筆記用具 |
その他 | お金、身分証明書、印鑑、予備の眼鏡、処方箋、マスク、消毒液、生理用品、ティッシュペーパー、(おむつ、粉ミルク、離乳食など) |
生活必需品の備蓄
台風が上陸した場合、電気や水道、ガスなどのライフラインが止まる恐れがありますので、生活必需品を備蓄しましょう。家族の人数に合わせて、最低3日分を目安に用意をしましょう。
また、生活用水の使用を少なくするために携帯用トイレやドライシャンプーも準備しておくと便利です。
水 | 水(1人1日3リットル)を目安に |
非常食 | ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パン、缶詰など |
生活用品 | 懐中電灯、ラジオ、乾電池、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、マッチ、ろうそく、カセットコンロなど |
また、高層マンションの上層階に居住している方は、特に、生活必需品を多めに備蓄しておくことをお勧めします。台風や二次災害でマンションの非常用電源が故障すると、エレベーターが停止し、生活用品の運搬が困難になる場合があります。
台風が来るとわかったとき(2~3日前)の台風対策
窓ガラスの飛散防止対策
飛来物によって窓ガラスが割れると、二次被害を生みかねないため対策が必要です。窓の外側にシャッターや雨戸があれば安心です。正常に開閉できるか確認しておきましょう。シャッターがついていなければ、窓の外側にベニヤ板を貼る方法や、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る対策も有効です。
電動シャッターの場合は、事前に停電時の操作方法を確認しておきましょう
なお、台風上陸まで時間がない状況で、シャッターや雨戸がなく、飛散防止フィルムも用意できない場合は、応急処置として段ボールやガムテープを窓に貼り付けます。
強風で飛んでいきそうな物の格納・固定
植木鉢や物干し竿などは、風で飛ばされると二次被害を生む可能性があります。屋外の風で飛ばされそうな物は室内に移動させておきましょう。また、網戸がサッシから外れて飛んでいかないように、網戸の外れ止め部品が正しくセットされているかも確認しておきましょう。
プロパンガスはチェーンやバンドで繋がれているか確認します。移動が困難な物置小屋やエアコン室外機なども、支柱や重りでしっかりと固定してください。
ベランダや屋上排水口、雨どいの確認
日頃から定期的に点検を行っている方も再度ゴミや落ち葉の詰まりがないか確認しておきましょう。排水溝や雨どいの詰まりは、浸水や雨漏りの原因となってしまいます。
台風が来る直前(前日・当日)の台風対策
戸締り
ドアや窓がしっかりと施錠されているか確認します。庭に小屋やガレージなどがある場合は、そちらもチェックしましょう。なお、風圧によって窓・サッシのレール(下枠)に雨が吹き込んで水が溜まることもありますが、住宅用サッシの構造上起こりえることです。
ただし、猛烈な雨風が直接窓に当たるような環境では、サッシの水密・気密性能を超えてしまい、サッシレール(下枠)から室内側に水があふれることも考えられます。吸水シートやタオルなどを敷いて対策をしておきましょう。
門扉の固定
カーポートなどの跳ね上げ門扉(オーバードア)は、扉を上げたままにせず必ず下におろし、ロックを掛けましょう。また、伸縮性門扉は耐風圧強度がありますが、変形や転倒を防ぐために完全にたたみ、ロープなどでしっかり固定しましょう。
床上浸水への対策
床上浸水の可能性がある場合は、貴重品や家電を上階へ移動させておきましょう。また、家電製品はコンセントを抜き、ブレーカーは落としておくと良いでしょう。また水に浸かってしまったら、乾いた後でも通電はNGです。漏電や発火の恐れがあります。
窓から離れた場所で過ごす
自宅が暴風域に入った際は、窓の少ない部屋で過ごすようにし、就寝時は窓やドアから離れた安全な場所で眠るようにしましょう。シャッター・雨戸がついていない窓がある場合、カーテンやブラインドを必ず閉めるようにしましょう。カーテンの裾を窓枠に固定しておくこともよいでしょう。万が一、窓ガラスが割れたときの飛散防止対策になります。
最後に 台風対策は事前準備が大切
台風は突発的に発生するものですが、予想進路や雨風の強さはニュースや新聞で事前に、また簡単に知ることができます。地震災害と違って、準備や対策がしやすい災害です。
まずはハザードマップの確認をしましょう。自宅の点検やマイ・タイムラインの作成は家族みんなで。避難経路や避難場所の確認はお散歩がてら近所を歩いてみてもよいでしょう。できることから少しずつやってみることが大切です。
台風情報の確認はこちら(気象庁台風情報のページが新しいタブで開きます。)