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不動産会社の選び方
一生一回の買い物と言われている不動産購入、信頼できる不動産会社から購入したいですよね。
そこで今回はどんな不動産会社が信頼できる不動産会社なのか、不動産会社を運営している人間目線でお話いたします。
信頼できる不動産会社の選び方は、以下の5つが挙げられます。
- おとり物件の扱いがない
- 丁寧なヒアリングをしてくれる
- 担当者のレスポンスが早い
- 物件のデメリットも教えてくれる
- 申込や契約を急かしてこない
それでは各項目について解説しますので、詳しく見ていきましょう。
おとり物件の扱いがない
おとり物件とは、不動産屋さんが集客目的で利用している実際には買えない物件のことを指します。インターネットや店舗の窓面に掲示されることがありますが、これらが全て募集終了している場合はおとり物件を扱っているおそれがあります。
1、2件であれば本当に直近で契約となり募集が終了したケースも考えられますが、あまりにも多いような場合は注意が必要です。
丁寧なヒアリングをしてくれる
不動産屋は営利目的の企業であり、ときには営業的に物件を押し売りのように接することも考えられるかもしれません。しかし、重要なのは自分のニーズに合致した物件を提案してくれる不動産屋を見つけることです。
自分の求める条件を丁寧にヒアリングし、提案してくれる不動産屋を選ぶことで望む物件を見つけられるようになります。
担当者のレスポンスが早い
人気の物件は、すぐに売れてしまう事がほとんどです。そのため、営業マンとのやり取りが重要となります。
迅速にレスポンスしてくれる担当者は、そのお客様に真摯に向き合っているといえます。レスポンスの早さは、メールでの問い合わせから2〜3時間以内に返信が返ってくることがひとつの目安です。
物件のデメリットも教えてくれる
実はこれが一番重要です。
不動産屋には告知事項以外のデメリットを伝える義務はない為、ほとんどの会社はデメリットをお客様が聞くまで伝えません。
でも住んでから後悔したと思っている方の内容が「事前にデメリットを聞いておけばよかった」「デメリットを不動産会社は教えてくれなかった」ということが一番多いのも事実です。
物件のマイナス面を事前に知ることは、後悔のない住まい選びのために重要です。
申込や契約を急かしてこない
無闇に申し込みや契約を急かしてこないかも、チェックしておきたいポイントです。不動産屋から申込を急かされることがありますが、それが本当に人気の物件である場合も考えられます。(その場合、ご案内予約を不動産会社が売主に行う際、当日の他社のご案内予定の有無を聞けば売主は答えてくれますので把握しようと思えばできるはずです)事前に周辺物件の相場を調査しておくことをおすすめします。
内見後の申込みへのプレッシャーを感じることもあるかもしれませんが、判断に迷う場合は「家でサイズなどを確認したい」と伝えることで、慎重な選択が可能です。
また現地待ち合わせでご内見の場合、「資金計画等の打ち合わせを事務所で・・・」といった内容で無理に事務所に誘導する会社も要注意です。(ご案内がわかっている訳ですから事前に資金計画を準備することも可能ですし、その場で手書きで作成しお渡しすることも可能です。)
物件がある程度絞れているのなら・・・
お問い合わせの際に物件の資料だけでなく資金計画も貰っておくのがベストです。
資金計画に「契約事務手数料」「書類作成費用(代)」「ローン代行費用」等の違法な諸費用(こちらのコラムで詳細を掲載中)の項目があれば、その会社は辞めた方が良いのでは?と思います。
また、「資金計画はご案内の際にお渡しいたします」というような会社も論外だと思います。
ハザード情報もデメリットです。
2024年10月1日より火災保険料が改定となりました。
災害リスクに応じて5段階で保険料が変わってまいります。(詳細はこちらのコラムを参照ください)内水については事前に確認が必要となりますが、洪水ハザードマップについては現在地でリアルタイムに確認することが可能です。
言葉が悪いですが、多くのお客様がハザード情報を気にされている事もあり、当日お問い合わせでのご案内でない限り事前に調査することは可能です。事前予約で準備が出来ておらずその場で答えられないのであれば、はっきりいって「経験不足の若手営業マン」「やっつけ仕事の営業マン」「過去のお客様の懸念事項を活かせていない営業マン」なのかもしれませんので要注意です。
大手だから安心??
残念ながら安心ではありません・・・
一般的に、大手不動産会社の場合入社3ヶ月〜半年程度は本社で研修し、その後各店舗に配属、先輩社員同行にて実務(売却希望のお客様の査定業務など)を半年程度経験、その後さらに1人で売却希望のお客様の対応を1年〜2年行い、入社3年目頃から購入希望のお客様の接客を行う事が多いです。
ということは「入社3年目です」と言われても「初めてのお客様」の可能性があるということです
例えベテラン社員が対応してくれても・・・「やたらと申込みを急かされたので弊社にお問い合わせをした」「ゴリ押し感が強かった」というお客様もお見えでした。
物件購入をし住むのも支払いをしていくのもお客様ご本人です
無責任な言い方と捉えられるかもしれませんがタイトルそのままです。
物件購入をし住むのも、住宅ローンの支払をしていくのもお客様ご本人です。
不動産会社(営業マン)として出来ることは「不動産のプロ」としてのアドバイスと情報提供のみ
・物件情報の提供
・物件のメリット、デメリットのアドバイス
・考えられるリスク等のアドバイス
・住宅ローン等のお金に関するアドバイス
・自身の既存顧客等から得た(質問事項や引渡後の要望事項等)内容に基づくアドバイス
くらいしか不動産会社(営業マン)としては出来ないと思ったほうがいいでしょう。
不動産会社(営業マン)は預言や将来を見通す事出来る能力は持っていない
・変動金利は上がりますから今買っておいたほうがいいです。
・建材価格の高騰でこれからも物件価格は値上がりします。
・今後不動産価値は上がります。
など聞こえの良いことをいう不動産会社(営業マン)もいると思います。
日銀が政策金利を上げた際、「変動金利は上がる」といった事で購入を急かした不動産会社(営業マン)も多いのでは?と思いますが、実際のところはこちらの日本経済新聞の記事でもある通り、UFJ銀行やネット系の銀行は据え置きもしくは低金利路線を貫いております。
将来的には変動金利は上がっていくとは思いますが現時点においては、その営業マンの推測(憶測)であったということです。
また「建材料費の高騰でまだまだ住宅価格は上がるから今買っておいたほうが良い」と行っていた営業マンもいるようですが・・・こちらも日本経済新聞の記事では構造用合板が7ヶ月ぶりに値下げとの記事が出ております。
住宅価格やローン金利は受給バランスや各社の経営状況等の様々な要因が重なり合って今の状況になっておりますので未来を良い当てる事は不可能なのです。(とはいえ、過去のデータや今後の人口予測などから推測は可能です。)
不動産は一生一度の買い物です。
「一生に一度の買い物」ですから売却のお客様から「この物件を買った(この物件に決めた)理由は?」と聞くと、よく言われるのは「不動産会社(営業マン)がいい物件って言うから即決しました」「購入希望者が他にもいると言われたので即決しました」といった方が多いです。
また「仲介手数料は支払うものなのじゃないんですか?」ってお声もよく聞きます。
昔は当たり前のことでも今は当たり前じゃない
スマホの普及率(令和5年 90.6%)を考えると、不動産購入される年齢の方ほぼ全ての人がスマホを所持しておりインターネット接続環境をお持ちだと思いますので、まずはご自身の先入観を無くし情報収集することをおすすめいたします。
まとめ
・いい物件を購入するならいい不動産会社(営業マン)を探す必要がある。
・将来の事は不動産会社(営業マン)も銀行(銀行員)も言い当てることは不可能である。
・昔は当たり前であったことも今は当たり前でないことが多々ある。
・物件探しと同時(できれば物件探し前に)自身の先入観をリセットすることがベスト
・購入物件に住むのも住宅ローンの支払をするのもお客様なのでしっかりデメリットを把握した上で購入するべき
これだけインターネットが普及しAI等の革新的な技術が出てまいりましたが、最終的には不動産購入は「買主(お客様)・売主・不動産会社(営業マン)・金融機関(銀行員)」と多くの人との繋がりで成り立ってまいります。
「不動産探しは人探し」といっても過言では無いのではないでしょうか?