
不動産購入時「月々〇〇円くらいなら今の家賃と同じ(変わらない)です。」という謳い文句を耳にしませんでしたでしょうか?
それって本当なのでしょうか?
答えは・・・間違っております。
そこで今回はランニングコストでどれぐらい見ておけばいいのか?戸建て・マンション別に具体例をもって説明していきたいと思います。
目次
- 戸建て ・ マンション共通のランニングコスト
- 固定資産税
- 火災保険料
- 設備修繕費用
- 共通項目の合計額
- 戸建て特有のランニングコスト
- 外壁・屋根塗装
- 防蟻工事
- 戸建て特有のランニングコスト合計
- マンション特有のランニングコスト
- 管理費・修繕積立金
- 駐車場・駐輪場代
- マンション特有のランニングコスト合計額
- 戸建て ・ マンション別のランニングコスト
- 戸建て
- マンション
- 家賃と同じ額でいくら物件が買えるの?
- 戸建て
- マンション
- 戸建て
- マンション
- 2025年6月時点の平均相場は?
- 戸建て
- マンション
- 賃貸の方が得なの??
- 不動産価格は上っているから購入の方が得じゃない?
- 一つの考え方としてお聞きください。
- 不動産に関するご相談はお気軽にお申し付けください。
戸建て ・ マンション共通のランニングコスト

固定資産税
これは皆様イメージがついていると思います。
首都圏であれば、月々10,000円~15,000円程度予算を見ておけばよいと思います。
火災保険料
購入時に火災保険は加入されていると思いますが・・・期間は5年が上限ですので加入プランにもよりますが月々5,000円程度見ておく方がよいと思います。
設備修繕費用
修繕積立金を支払っているマンションもかかるの?と思う方もいるかと思いますが・・・キッチンや浴室、洗面台、トイレ、給湯器などの設備機器の修繕は自己負担となります。
給湯器10年・水回り機器20年で試算すると、給湯器が10万円程度、標準的水回りの4点セットで200万円前後は必要かと思ますので、給湯器が月々1,000円程度、水回り4点が9,000円程度の月々合計10,000円程度は最低積み立てる必要があります。
共通項目の合計額
すべての額合計すると・・・
約25,000円~30,000円が住宅ローンとは別に必要となります。
戸建て特有のランニングコスト

マンションの場合、外壁や屋根(防水)部分は修繕積立金として毎月積み立てていっており、15年前後のサイクルで修繕工事を実施するのですが、戸建ての場合はご自身で積み立てて修繕工事を行っていく必要が御座います。
外壁・屋根塗装
一般的には10年~15年ごとに外壁・屋根の塗装、外壁の種類によってはシーリングの打ち換え工事が必要と言われております。
塗料の種類や建物面積・現在の使用素材によっても金額は異なりますが、1,500,000円~2,000,000円前後15年毎と考えて月々8,500円~12,000円は準備しておくとよいでしょう。
防蟻工事
5年に一度の施工が推奨されており、一般的に1坪あたり5,000円~10,000円程度が相場です. 30坪の住宅の場合、約15万円~30万円程度と言われておりますので月々に直すと2,500円~5,000円程度となります。
戸建て特有のランニングコスト合計
上記の試算通り、最低限11,000円は必要となります。
マンション特有のランニングコスト

管理費・修繕積立金
これはマンションしか存在しない項目です。
一般的に㎡あたり350円~450円と言われておりますので70㎡のマンションですと24,500円~31,500円程度必要なります。
駐車場・駐輪場代
これは人によって不要な場合も御座いますが・・・
駐車場が立地等によって大きく異なるのですが1台当たり5,000円/月~20,000円前後、駐輪場が1台当たり3,000円/年前後は見ておくとよいでしょう。
自動車1台・自転車2台と仮定し月々に直すと5,500円~20,500円必要となります。
マンション特有のランニングコスト合計額
上記試算の管理費・修繕積立金・駐車場と駐輪場の合計で最低30,000円は月々必要になります。
戸建て ・ マンション別のランニングコスト

ここまでで必要であろうコストを列挙し計算してまいりました。
設備機器は故障しない限り交換などは不要という方も多いですが、それでも給湯器は10年ごとに点検・部品交換時期の表示がされ一定期間超過するとお湯が出なくなります。
それでは戸建て・マンション別に最低限かかる月額費用の合計を見ていきましょう。
戸建て
月額36,000円~47,000円
マンション
月額55,000円~82,000円
思ったより費用がかかりますね。
これに住宅ローンの月々の支払額がプラスされるということになります。
家賃と同じ額でいくら物件が買えるの?

ここでは、変動金利0.7%・40年・ボーナス支払無し、現在の家賃10万円、戸建て・マンションともに上記試算額の最低額を支払う(積み立てる)と仮定し同じ支払額とする場合の例を挙げていきます。
1,000,000円を変動金利0.7%・ボーナス払無し・40年を借りた場合の月々の支払額は2,389円となり、これを基に試算してまいります。
戸建て
100,000円(現在の家賃)ー36,000円(最低月額コスト)=64,000円が住宅ローン充当額となります。
64,000円÷2,389円×1,000,000=26,789,451円
マンション
100,000円(現在の家賃)ー55,000円(最低月額コスト)=45,000円が住宅ローン充当額となります。
45,000円÷2,389円×1,000,000=18,836,333円
当然設備機器の修繕や戸建て特有の修繕工事は、必要になった時に現金で支払う(別途ローンを組む)という方もお見えですので 修繕費用を除いた場合の購入可能額を計算してみます。
戸建て
100,000円(現在の家賃)ー15,000円(最低固定資産税と火災保険のコスト)=85,000円が住宅ローン充当額となります。
85,000円÷2,389円×1,000,000=35,579,740円
マンション
100,000円(現在の家賃)ー30,000円(最低固定資産税と火災保険・管理費修繕積立金・駐車・駐輪場のコスト)=70,000円が住宅ローン充当額となります。
70,000円÷2,389円×1,000,000=29,300,962円
上記の借入額が「現在の家賃と同じ支払額」ということです。
2025年6月時点の平均相場は?

戸建て
こちらの記事でも掲載しておりますが、新築戸建て:38,840,000円・中古戸建:28,490,000円となっております。
購入にかかる諸費用を自己資金で支払う場合
新築戸建は:92,796円がローンの月々支払額となり、最低限必要な額15,000円をプラスすると
107,796円が月額コストとなります。
中古戸建の場合、68,068円がローンの月々支払額となり、最低限必要な額15,000円をプラスすると
83,068円が月額コストとなります。
マンション
株式会社不動産経済研究所の調査によると埼玉県の新築マンションの平均㎡単価は861,000円となっておりますので70㎡のマンションであれば60,270,000円が平均価格となります。
こちらも同じく諸費用は自己資金で支払う場合、143,996円がローンの月々支払額となり、最低限必要な額30,000円をプラスすると173,996円が月額コストとなります。
中古マンションの場合ですが、埼玉県における平均相場のアットホームの調査によるとさいたま市で平均㎡単価は523,000円、その他地域で385,000円となっております。70㎡のマンションであれば、さいたま市が36,610,000円、その他地域が26,950,000円ということになります。
同じく諸費用は自己資金で支払う場合、さいたま市の物件の場合、87,468円がローンの月々支払額となり、最低限必要な額30,000円をプラスすると117,468円が月額コスト、その他地域は64,388円がローンの月々支払額となり、最低限必要な額30,000円をプラスすると94,388円が月額コストとなります。
賃貸の方が得なの??

売買専門の不動産会社がこの質問をされると・・・正直答えを悩みます。
胸を張って購入がお得ですとは言いづらいのが現状です。
近年団体信用生命保険も手厚い補償(ガン団信や就業不能時の支払い免除等)のものが増えてきております。一昔前であれば、高度障害か死亡時のみの補償だったものが、ガン(ステージ1以上)と診断された場合、完治しても住宅ローンの残債免除となるものや、病気やケガなどで就業不能状態になった場合、月々の支払いを免除されるなど住宅ローンを利用するメリットも増えてきております。
賃貸の場合、ガンと診断されても病気やケガで収入が減少しても賃料の免除は御座いませんし、一定期間滞納状態になれば退去する形となります。
逆に賃貸の場合、生活スタイルによって住み替えが容易であること、メンテナンス費用が賃料に含まれている事などのメリットも御座います。
筆者は良く、「夫婦ともに実家が持ち家かつ通勤圏内であり相続することが決定している(一人っ子)なら相続後にリフォームや建て替えをするという選択肢もあります。ただその際、当然ローンを組める上限年齢は決まっているので月々の支払いは上がる可能性は御座いますが土地を購入するよりは安いと思います。」と商売っ気のない話をするのですが・・・それはこういう考え方もできると思って欲しいのです。
また、賃貸の場合は高齢になればなるほど契約は難しくなるのが現状ですし、高齢者施設への入居やお子様との同居も視野に入れざるを得ないと思います。
話がそれましたが、賃貸の方が得ということはすべての方に当てはまらないということです。
極論ご自宅を35歳で変動金利35年0.7%の金利で5,000万円の住宅ローンで購入(ガン団信つき団体信用生命保険)し、41歳の時にガンが見つかって住宅ローンの残債が免除となれば4300万円前後の残債が免除となります。55歳でも2300万円前後の残債が免除となりますので、賃料プラス生命保険料と考えれば購入する方がお得に見えるかもしれません。
不動産価格は上っているから購入の方が得じゃない?
不動産会社や広告やCM等で「不動産は上がっている。」「〇〇で持ち家の方は勝ち組!」なんてキャッチフレーズを聞けばそう思いますよね・・・
こちらの「首都圏新築戸建て価格~」の記事を見てください。
埼玉県の新築戸建ては前月比2.5%下落、中古戸建は前月比5.1%下落と下落傾向にあります。
さらに埼玉県都市整備部建築安全課のデータでは2033年には埼玉県の空き家が392万戸になり2023年よりも50万戸近く増加するとの推計も公表されております。
簡単に言えば家が余る時代が間もなく来るということで、余っている状態で価格が上昇するのか?ということです。
一つの考え方としてお聞きください。

生命保険や住宅ローン(団体信用生命保険)などの保険商品と言われるものは「見えない(形のない)ものにお金を支払うもの」であり「自分の為にではなく残された人のために入るもの」と昔の上司に言われ15年以上経った今もお客様にお伝えしております。
確かに不動産や住宅は形があり保険商品とは違うという方もお見えですが、住宅ローンを使って購入する以上、登記簿には抵当権が設定され完済するまで担保として取られているのです。
担保に取られているということは支払いが遅延する状態となった場合、競売にかける権利を持たれているということですし、万が一そうなった場合、個人情報に傷が付き最悪の場合自己破産の可能性すら御座います。ランニングコストを考えない無理な住宅ローンは破滅の可能性を含んでいるということになります。
不動産を購入する際は、必ず一呼吸おいて無理のない支払い条件なのかを客観的にみる様に心がけてください。
不動産に関するご相談はお気軽にお申し付けください。
弊社は家族経営の小さな不動産会社です。
多大な広告費や固定費をかけなくても会社を運営出来ており、お客様にしっかり向き合い場合によっては購入しない選択肢を取って貰う事も御座います。
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