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2025年問題とは?

2025年問題とは、日本の人口比率が変化し、超高齢化社会を迎えることに伴う問題のことを指します。
具体的には、国民の5人に1人が75歳以上の後期高齢者となる予測で、医療・福祉・雇用など、さまざまな分野に影響を及ぼします。
人口減少と少子化が進む中、1947年から1949年に生まれた団塊の世代が高齢者層に加わることで、社会構造に重大な変化が訪れようとしています。
2025年問題への対応が、今後の日本社会にとって重要な課題です。
2025年問題で考えられる影響
大きく分けて以下の3つの影響が考えられます。
・人材不足
・社会保険料負担の増加
・医療費の増加
家づくりに関わる2025年問題
考えられる4つ(5つ)の問題について解説します。
・住宅の省エネ基準適合化
・建築確認申請の4号特例廃止
・立地適正化計画が進む
・人材不足・人件費の高騰
・東京都では太陽光発電設置の義務化
住宅の省エネ基準適合化
2025年からすべての新築住宅での省エネ基準の適合が義務付けられます。
さらに、2030年にはZEH水準の省エネ住宅が、新築戸建て住宅の基準になります。
ZEH(ゼッチ)とは、
太陽光発電など再生可能エネルギーを利用し、年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指す住宅のことです。
省エネ基準に対応する必要があるため、家づくりにかかる費用が高くなる可能性はありますが、断熱性能の高い住宅が建てられる点では、消費者にメリットがあります。
建築確認申請の4号特例廃止
住宅関連の2025年問題にはもう1つ、建築確認申請で4号特例が廃止されることがあります。
すべての新築住宅に対して、構造計算や省エネ関連の図書の提出が義務化されます。
これにより建築確認の図書作成に時間がかかり、設計費用も高くなる可能性があります。
4号特例廃止の影響についてはこちらで詳細を記載しておりますのでご確認ください。
立地適正化計画が進む
「立地適正化計画」とは、自治体ごとに推奨する居住エリア(居住誘導区域)を定め、人口を駅周辺などの限られた地域に集めることによって、効率的な公共サービス運営を図る計画のこと、としています。
「立地適正化計画」対象外地域では、学校の統廃合やバスなどの公共交通機関の減少など、過疎化が進むことが考えられます。
立地適正化計画が進むと、対象エリアの不動産価値は上がる一方で、対象外のエリアには交通手段や公共のサービスが行き届きにくくなり過疎化が進み、土地や家などの不動産価値も下がることが予測されます。
人材不足・人件費の高騰
2024年10月より最低賃金がアップ致します。全国平均加重平均額は1,055円となります。昨年度の1,004円から51円の引き上げ幅は、目安制度が始まって以降、過去最高額です。
最低賃金(全国平均)が51円アップすると言う事は8時間労働として1日408円アップとなります。
建築期間が仮に4か月(週休2日と、月間22日労働と仮定)とすると建築に掛かる人件費だけでも35,904円アップとなります。建材(水回りやサッシ・ドアなどの部材)を作るメーカー側や流通商社も人件費が上がりますので、当然材料価格も上昇致します。
食材等価格が上がった件と同じ解釈をして貰えれば解りやすいかと思います。
前回の最低賃金が上がった時は、ビルダー(建売業者)の坪単価が約2万円~3万円程度アップ致しました。と言う事は・・・建坪30坪の家だと約60~90万円住宅価格がアップしたと言う事です。
参照:令和6年度 地域別最低賃金 答申状況(厚生労働省)
太陽光発電設置の義務化(東京都の場合)
住宅購入者にとってもっとも大きな影響を受けるとされるのが、住宅価格の上昇です。太陽光パネルが設置された住宅を購入すると、設置費用分がプラスされ、新築物件の購入価格が上がることが想定されます。
ズバリ建売の価格はどうなる?
2025年は土地価格の下落が無い事を前提とすると恐らく住宅価格(建売価格)は100万円前後アップするのでは?と思っております。
コロナ前の令和2年の建売価格と現在の建売価格で考えると、約700~1,000万円アップしております。戦争や円安の影響での材料の高騰(建材物価指数の令和3年と令和6年の比較で約24%上昇)や人件費の高騰(埼玉県の最低賃金を令和2年と令和5年で比較すると約7%上昇)人件費と建材で約31%上昇となります。仮にコロナ前に3,000万円で販売していたエリアだと3,930万円となりますので大方現状の販売価格と符合してくるのでは?と思っております。
住宅ローン金利の上昇とダブルパンチ!
住宅価格が100万円アップし変動金利が更に0.15%アップした時に現在の月々の支払価格との差を解説いたします。
借入れ条件(現状)
借入額:4,000万円
金利種別:変動金利(元利均等方式)
借入期間:35年
ボーナス時加算:なし
借入利息:0.4%
月々支払額:102,076円
借入れ条件(現状)
借入額:4,100万円
金利種別:変動金利(元利均等方式)
借入期間:35年
ボーナス時加算:なし
借入利息:0.55%
月々支払額:107,338円
月々5,265円(総支払額2,210,040円)アップになります。
まとめ
・2025年完成予定の新築一戸建ては最低でも100万円は価格上昇する可能性が高い。
・住宅ローン金利も上昇する可能性が高い。
・物件価格が100万円アップし金利が上がると必然的に総支払額も上がる。
・4号特例の廃止に伴い中古物件を買ってリフォームする場合もリフォーム内容によっては価格が大幅アップとなる