構造の話①では一般的に建売住宅で使用されている木造軸組工法と耐震等級についてご説明いたします。
目次
木造軸組工法とは?
木造軸組工法は現在日本でいちばん多く採用されている代表的な工法で、柱(縦の構造材)に梁(横の構造材)を組み合わせて建てることから「軸組み」と呼ばれます。また、在来工法や伝統工法とも呼ばれ、法隆寺の五重の塔や歴史あるお寺や神社、古民家などでも採用されています。
こんな感じでお家が建っていく姿を見かけると思います。
木造軸組工法のメリット・デメリットは?
メリット
メリット①:外壁・屋根の形状など構造の自由度が高い
木造軸組工法は柱と梁を組み合わせた建築方法のため、柱と梁が充分な能力を発揮できる条件下であれば、外壁や屋根の形状や間取りに自由が利きやすいメリットがあります。
メリット②:増改築がしやすい
間取りの自由度が高くなるメリットは、リフォームのような増改築のときにもフレキシブルな対応ができるということです。たとえば「ここに収納が欲しい」「子供が独立したから夫婦2人の生活がしやすい間取りにしたい」など、ちょっとした工事から大がかりなリフォームまで、柱と梁を重視する木造軸組工法ならではのメリットを発揮できます。
メリット③:開口部が広く取れる
木造軸組工法は開口部が広く取れるため、窓や玄関の出入り口を大きめに作ることができます。採光や風通し、出入りの手軽さは快適な生活にとって欠かせません。家族全員が気持ちよい生活空間を作ることが可能です。
デメリット
木造軸組工法には当然デメリットもあります。ただ、デメリットを解消できる方法もありますので、あわせてご紹介します。
デメリット①:耐震性・防火性の対策が必要
耐震性への不安は適切な耐震設計や部材の使用によって軽減することができ、すべてのハウスメーカーは必ずそのための努力をしています。
日本の建築法における耐震基準は非常に厳格で、少しでも基準を満たさないものを住宅として建てることは許されません。そのため、すべての住宅は耐震性に関する対策をおこなっています。
防火性に関しての不安も、木造建築においては当然でしょう。もともと木材は単純に燃えやすいというわけではありません。燃えやすい部分、燃えにくい部分に分かれています。
木材の特徴としていざという時に外側が燃えると、その分で炭化が起こります。炭化した灰が酸素の供給を邪魔するため、心材は辺材に比べると燃えにくくなるのです。
昔の話ですが、海外では火災の際木造住宅は炭化の状態である程度の強度が把握できるが、鉄骨造の建物は見た目では強度の把握が出来ないので二次災害を防ぐ意味も含め2階以上の部分の救助義務がないということも御座いました。
デメリット②:木造住宅はシロアリに弱い?
木造住宅の場合、シロアリによる被害を心配される方も多いでしょうが、結論からいうと今の木造住宅ではさほど心配することはありません。かつての木造住宅の基礎の様に布基礎と呼ばれる、家の下の地面が露わな基礎だとデメリットとなっておりましたが、最近はベタ基礎という底一面が厚いコンクリートで覆われた基礎が主流です。シロアリは『ガラスと陶器以外は何でも食べる』と言われていますが、厚いコンクリートを食べ続けるのはほぼ不可能です。また基本5年に1度のメンテナンスでシロアリの害は防げると思います。
デメリット③:木造住宅の耐久性は!?
木は腐ると思っている人もいるかもしれません。確かに湿気には弱いものの、きちんと対応をすれば木造住宅はとても長持ちします。ちなみに世界で最も古い木造建築物は法隆寺の五重塔。築1200年以上の国宝です。また最近は築100年以上の木造の古民家も人気で、カフェやホテルにリノベーションされて注目されているケースもあります。つまり、それだけ木造住宅は本来耐久性があります。
構造については、弊社現地販売会場にて詳しく説明させていただくことも可能です。