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退去経験者の約4割がトラブル・後悔を経験
トラブル・後悔の一例として
- ・入居したときからあった傷や汚れの修繕費を請求された
- ・敷金が戻ってこなかった
- ・高額なクリーニング費用を請求された
- ・入居時と同じように戻す様に言われた
- ・申請や手続きに予想以上の時間や手間がかかった
と言われる方が多いのが現状です。
実際「独立行政法人国民生活センター」に登録されている相談件数も非常に多いです。
独立行政法人国民生活センターによると最近の事例として
- ・賃貸アパートを退去後、原状回復費用の清算書が届いた。入居時から傷ついていた床等の原状回復も求められ納得いかない。
- ・10年以上住んだ賃貸アパートを退去したらクロスの張替えなど高額な原状回復費を請求された。全額支払う必要があるのか。
- ・6カ月居住した賃貸アパートを退去した。玄関の壁紙のわずかな傷で全面の張替え費用を請求され不満だ。
- ・管理会社の了解を得て賃貸マンションの光回線工事をしたが、退去時に、工事は許可していないと言われ、原状回復費用を請求された。
- ・賃貸マンションを退去したところ、高額なハウスクリーニング代を請求された。納得できない。
となっており、トラブル・後悔の事例とほぼ一致しております。
どこまで修繕しないとダメなの?
例えば、喫煙者で室内の壁紙が茶色に変色してしまった場合、タバコのヤニがクリーニングで除去できないレベルであれば、壁紙の張り替えが必要となり、その費用は入居者が負担となりますが所有物の塗料のわずかな付着であれば、日常生活の範囲内なので負担の必要がないか、大きな付着で張り替えが必要となった場合でも一部(1m2など)の張り替え費用を負担すれば済むのが基本的な考え方です。
ルールってあるの?
こうした退去時における原状回復をめぐるトラブルを未然に防止するために、国土交通省では、一般的な賃貸借契約の考え方や裁判例、現場実務などを考慮して、原状回復の費用負担について妥当と考えられる一般的な基準を「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しております。
2017年5月26日に成立し、6月2日に公布された「民法の一部を改正する法律」(改正民法)でも、賃貸住宅の敷金を原則返還することや、借主が負う原状回復の内容が明文化されました。これは、上記の国土交通省のガイドラインに即した内容となっております。
法外な補修費用を請求されないようにする方法はある?
退去時の原状回復費用をどちらがどこまで負担するかは、基本的な考え方をガイドラインで提示しているが、実際には個々の契約内容によって変わってきます。ガイドラインとは異なる費用負担の「特約」を付けて、契約を交わすことは可能だからです。
したがって、「契約書を細かく読む」ことは最低条件。そのうえで、トラブルになりがちな「退去時の汚れや傷が入居時からあったものかどうか」を写真等で記録しておくことが重要です。
内見時や入居前に大家さんまたは賃貸管理の不動産会社にも立ち会ってもらい、室内の状況(設備の不具合や室内の汚れや傷などの有無)を一覧表にしておく(国土交通省のガイドラインにチェックリストがあります。)事が理想的です。立ち会いが難しい場合は、入居者が写真を撮って記録を残しておくことや引っ越し業者に協力してもらい書面に残す事も有効です。
このように、退去時にトラブルにならないようにするには、実は入居時の行動がカギとなります。
・契約書をよく読んで、疑問があれば質問をしたり交渉をしたりして、納得した上で契約を交わすこと
・家具を搬入する前の状態で室内の状態を的確に把握しておくこと
契約を焦ってしまったり、物件さえ決まればいいと安易に考えたりしないことが最も重要です。
弊社からのアドバイス
- ・入退去時には、家主や管理会社、仲介業者などの家主側の立会いの下で汚れや破損などの部屋の現状を確認しましょう。その際、確認した内容をメモに残したり、修繕が必要と思われる箇所の写真を撮ったり、証拠となる記録を残すことが大切です。
- ・契約書には、退去時にハウスクリーニングなどの原状回復についての特約が付いていることもあります。契約内容、特に特約についてよく確認しましょう。
- ・原状回復費用の内訳を出してもらい、立会い時に確認した内容と合っているか確認し、納得できない点は家主側に十分な説明を求めましょう。
- ・話し合いによる解決が困難な場合は、少額訴訟手続を利用する方法もあります。
困った時には、お近くの消費生活センターか弊社に御相談ください。
消費生活センターへのお電話は、全国共通の電話番号「188」にお掛けください。