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家じまいはいつするべき?費用や時期について解説

家じまい・実家じまいとは、両親や祖父母の住んでいた実家を片付け、整理・処分することを言います。子どもの立場から、両親や祖父母の家を片付ける作業であり、親が亡くなった後や高齢になって施設に入居した際に行われるケースも多々あります。

家じまい・実家じまいには、親の負担を減らしたり、相続トラブルを防いだりするなどの目的があります。そこで、実家じまいを早めに行うべき理由や、費用を抑えるポイントなどについて解説します。

家じまい・実家じまいとは?

冒頭述べた通り、両親や祖父母の住んでいた実家を片付け、整理・処分することを言います。子どもの立場から、両親や祖父母の家を片付ける作業の事です。
似たような言葉として【家じまい】がありますが、こちらは自身が所有している家を、終活の一環として子どもや孫に相続させずに処分することです。
非常に似てはいますが、片付けをする立場の方が違ってきます

家じまいを行う理由とは?

家じまいを行う主な理由は2つが挙げられます。

まず1つが、親が亡くなった後、実家を相続したお子さんたちの負担を軽減するためです。実家を維持するための税金や管理コストを避けることができます。

もう1つが、自分が高齢になり、実家の維持や管理が困難になった場合、実家を処分することで手間やコストを削減するためです。終活の一環として、自身の負担を軽くするためです。

家じまいをしないと亡くなった後、お子さんたちに実家の処分を任せることになります。しかし、お子さんたちの事情によっては、すぐに対応できない場合もあり、負担がかかる可能性があります。

そのため、比較的早い段階、つまりご自身がある程度体力的・精神的に余裕をもって動ける時期から、家じまいを計画的に進めることが望ましいとされています。これにより、お子さんたちへの負担を軽減でき、ご自身の終活もスムーズに行えます

実家じまいを行う理由とは?

実家じまい行う主な理由は2つが挙げられます。

まず1つめが、ご両親・祖父母がお亡くなりになり実家を相続し住まない場合です。
2024年4月より相続登記の義務化となりましたので、相続人の人数によっては遺産分割協議書等の作成を行う必要があり時間が掛かる可能性が御座います。

もう1つが、自身が体が思うように動かず認知症等で意思表示(判断能力がない)が出来ずお子さんたちが代わりに家じまいを行う場合です。
明確な売却の意思表示(判断能力がない)が出来ない場合、家の売却のような重大な法律行為ができなくなります。

こういった場合は、成年後見人を選任するなどの手続きを踏まなければならず、時間と費用を要する可能性があります。

家じまい・実家じまいは早めに行うべき理由

実家じまいを早めに行うべき理由としては、以下のとおりです。

①維持管理で無駄に資金が必要になる
②認知症になると売却が難しくなる(時間と費用がかかる)
③空き家になると痛みやすくなる

維持管理で無駄に資金が必要になる

実家がマンションの場合
管理費・修繕積立金等の月額コストが発生し続ける。
口座の残高不足などで引き落とされず滞納が続くと、最悪の場合マンションが差し押さえられる可能性があります。

実家が一戸建ての場合
固定資産税の年額コストや庭等の維持管理費が発生する。
空き家期間が長ければ③でも記載いたしますが痛みやすくなり、また放火等のリスクが御座います。

認知症になると売却が難しくなる(時間と費用がかかる)

認知症などで意思確認ができなくなると、実家の売却が極めて難しくなります。不動産売買には所有者の明確な意思表示が必須となるためです。
状態が急変し、結果的に相続まで待たざるを得なくなるケースも少なくありません。

空き家になると痛みやすくなる

長期間、窓や戸を閉め切ったままにしておくと、建物内部の湿度が上昇しやすくなります。湿度の高い環境はカビの発生を促進する要因となります。排水管やガス管も長期間使用されないと劣化し、ひび割れや破損が起こりがちです。(特に冬場の給湯器の配管が凍って破裂する事が多いです。)
また、屋根が劣化すれば雨漏りが発生します。人が住んでいれば対処できますが、空き家の場合は放置されがちで、ますます劣化が進行します。

家が傷んでしまってからでは、売却を望んでも買い手がつきにくくなります。状況によっては、においや倒壊の危険性などから、近隣に迷惑をかける可能性も否めません。

家じまい・実家じまいの手順

実家じまいの手順としては、以下のとおりです。

手順①:処分の方法の決定
手順②:不用品・残置物の処分
手順③:不動産会社探し
手順④:実家の売却

処分の方法の決定

実家じまいの第一歩は、ご実家の最終的な処分方法を決定することです。売却するのか、解体して更地にするのか、あるいは賃貸物件として活用するのかなど、複数の選択肢があります。

不用品・残置物の処分

処分方法が決まれば、次が一番大変な作業である不用品や残置物を処分する作業となります。ご自身で処分するか、残置物処分や遺品整理の専門業者に依頼するか、状況に応じて選択しましょう。

ただし、相続開始により実家じまいを行う場合、不用品も含めてすべてが相続財産であることに留意が必要です。相続人の代表者は、他の相続人にとって価値のあるものを処分してしまわないよう、遺産を整理・把握し、必要か否かを相続人全員で判断する必要があります。
特に、相続放棄を検討している場合は注意が必要です。被相続人の遺産を処分すると、相続放棄が認められなくなるリスクがあるためです。処分作業を進める際は、このようなリスクを十分に認識しおいてください。

不動産会社探し

売却や賃貸など、実家の処分方針が決まれば、次は不動産業者に相談します。

実家の売却

実家の売却は、不動産会社と連携しながら進めます。ただし、不要な実家を売却する場合、購入検討客の内覧への立ち合いや物件管理が難しい状況も考えられます。そのような時は、売却期間中の管理業務も不動産会社に一任できないか相談するとよいでしょう。

まとめ

家じまい・実家じまいは、老後の安心や相続トラブルの防止につながる大切な作業ですが、同時に多くの労力とコストを要する手続きでもあります。

特に、実家の維持管理費の負担や、親の認知症による売却の難しさ、空き家の老朽化などの問題に直面することも少なくありません。

こうした課題を円滑に解決するには、不用品の処分や不動産の売却、解体など、いくつもの専門的な作業が必要となります。

実家じまいを検討する際は、1人で抱え込まずに、経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。遺品整理や不動産売買に精通したプロのアドバイスを受けることで、効率的かつ適切な方法で実家じまいを進められるはずです。