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耐震等級1で十分じゃないの?
これ良くお客様から言われる言葉です。
耐震等級1~3とは?

上記の事はハウスメーカーや不動産会社から聞いておられると思いますので詳しい説明は割愛致します。
耐震等級1でも震度6~7で倒壊・崩壊しないから大丈夫では?
理論上はおっしゃる通り、倒壊・崩壊しない設計がなされております。
ただ1~3の耐震性のコメント欄を見てください。
損壊しないとは書かれてないですし複数回の地震に耐えられるとは書いていないのです・・・
耐震等級でいうところの地震は初回の事です。
損壊しても大丈夫なのでは?
これもおっしゃる通りです。損壊しても倒壊・崩壊しなければ命は守れます。
でも、震災後に軽微な補修で住み続けられる程度かどうかは別問題です。
住み続けられる家とは?

熊本地震の状況で耐震等級3のデータと被害度合いがまとまった表がありましたので掲載しますが
耐震等級1だと上記の表でいう大規模半壊までは想定内という事なのです・・・
しかも大規模半壊の家が余震で全損・倒壊となっても問題ないという事です。
建築基準法の落とし穴
大げさな言い方かもしれませんが、
建築基準法における耐震等級の考え方の原則は
①大規模な地震(震度6~7)が起きた際に家が倒壊・全損せず避難できる環境を整えること
②初期の避難や救護活動を守るために建物の倒壊を少なくする(道を確保出来るようにする)こと
が大前提となっております。
損壊した建物がどれほどの耐震性能(強度)を保っているかは規定されていないのです
熊本地震は震度どれくらいだったの?
阪神淡路や熊本地震は震度7といわれております。
しかもどちらの地震も直下型でした。
直下型の特徴として、最初に縦揺れが起きその後大きな横揺れが来るパターンが多く建物にも大きな被害を及ぼすといわれております。
縦揺れと横揺れの違いは?
縦揺れとは、地面に対して垂直方向(上下)に揺れる地震です。縦揺れは横揺れよりも早く到達することが多く、激しく揺れるため、より恐怖心を感じやすいとされます。いわゆる「直下型地震」が縦揺れを起こしやすく、一方、横揺れとは地面に対して水平方向(左右)に揺れる地震です。大きな地震の場合、最初に縦揺れが発生し、その後は横揺れに移行することが一般的です。いわゆる「海溝型地震」が横揺れを起こしやすいとされております。
縦揺れと横揺れの被害について
縦揺れは
地面から突き上げられる地震のため、大規模な地震が発生した場合は、家具や大型家電が浮き上がる可能性があります。食器棚の中身が跳ねて割れたり、ガラスの扉を突き破ったりなど、家財の被害が起こりやすいことが縦揺れの地震の特徴です。
横揺れは
横揺れで危険なのは、建物の倒壊リスクが高いことです。柱は上下よりも左右の揺さぶりに弱いため、横揺れにより柱が損傷すると、建物が倒壊する可能性が高まります。家具や家電が倒れるリスクもあるほか、震源地が海底の場合は津波が発生する恐れもあり、縦揺れとはまた違った怖さのある地震です。
地震保険に入るから大丈夫では?
正直な話、耐震等級1の家だと十分ではないとおもいます。
基本的な考え方として火災保険の建物保険額の半分が地震保険の建物の保険額となります。
また地震保険はこちらのサイトでもある通り、民間の損害保険会社が共同で運営しており所謂保険料を貯蓄し被害発生時に引き出すといったイメージが近いです。2024年現在の支払い上限は12兆円となっており、南海トラフ地震での建物被害予測額は120兆円(支払限度額の10倍)と言われております。という事は、例え全壊の判定が出ても保険額のすべてを受け取れる可能性が低いという事になります。
火災保険の建物金額にはご注意を(2025年2月28日追記)
火災保険の建物金額にはわかりやすく言うと「購入時の建物価格」「再調達価格」の2種類の算出方法がございます。
後者は非常にわかりやすく「建物の構造、所在地から算出された1㎡あたりの標準的な建築費(新築単価)に建物の延焼面積を掛け合わせて建物評価額を算出する方法(±30%まで設定可能)」ですので比較的建替費用を捻出可能です。
問題は前者で「建売の場合、販売価格の内、土地と建物を按分した金額が建物価格となる」ということです。
ですので、価格変更で値下がりした物件であれば建物価格600万円なんて事もあります。30坪の建物であれば坪単価20万円の建物かというとそんな金額で建物が建つことがないのはご理解いただけると思います。
建物の補償額が低いので当然火災保険料は安くなるのですが・・・万が一の際何の役にも立たない保険にお金を払うほど無駄なものは御座いません。
当然予算もあるので、すべてが無駄というわけでは御座いませんが弊社なら仲介手数料無料の分補償やオプション工事に費用を当てられますのでお気軽にご相談ください。
まとめ
①耐震等級の考え方として初回の震度6~7に対し倒壊・全損しないことが基本的な考え方
②損壊に関しては耐震等級1~3のいづれも明記されていない
③損壊した建物の耐震性能(強度)に関する規定はない
④地震保険には支払限度額がある(2024年4月現在12兆円)
⑤地震保険は12兆円を被害にあった人(被害度合いに応じて)で分配するものなので全額貰えるとは限らない。
上記の事から耐震等級3の物件を購入する事をおススメしております。